腎臓リハビリテーション指導士について

 

腎臓リハビリテーション指導士とは?
 
認定制度成立の経緯と認定趣旨について
腎臓リハビリテーションは、腎疾患や透析医療に基づく身体的ならびに精神的影響を 軽減させるとともに、症状を調整し、生命予後を改善して、心理社会的ならびに職業的 な状況を改善することを目的とした、運動療法、食事療法と水分管理、薬物療法、教育、 および精神・心理的サポートを行う、長期にわたる包括的なプログラムです。

日本の腎臓リハビリテーションに携わる医師、医療従事者を対象として包括的腎臓リハビリテーションの確立、腎臓リハビリテーション関連各分野の学術水準向上を図り、 これらによる腎臓障害患者の生活の質(QOL)向上を通じて日本の医療・福祉の向上に 寄与することを目的として、日本腎臓リハビリテーション学会が 2011 年に設立されました。

腎臓リハビリテーションは単に運動療法のみを行っていれば事足りるものではなく、包括的リハビリテーションを目指すべきであり、そのためには、医療専門職間の連携や共同作業(チーム医療)が必要となります。また、チームが円滑に機能するためには、腎臓リハビリテーションに関する共通認識と知識や用語の共有化、定期的なカンファレ ンスやミーティングなども行う必要があります。このような状況の中、日本腎臓リハビ リテーション学会は、腎臓リハビリテーション指導士の認定制度を 2018 年に発足させ ました。 
 
資格の取得方法について
腎臓リハビリテーション指導士資格認定試験を受験する者は、

1. 本学会学術集会において、主演者あるいは座長としての経験があること、もしくは、
 腎臓リハビリテーションの実地経験が 1 年以上あること。

2. 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、栄養士(管理栄養士)、
 薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士(公認心理師)、健康運動指導士、のいずれかの資格を
 有している

3. 申請時に本学会正会員であり、申請時の直近 2 年度以上継続して正会員歴があること
 (施設会員歴は認められません)。

※第5回腎臓リハビリテーション指導士資格認定試験においては、2022年度(~2022年11月30日)入会までの方が対象となります。

以上の 3 条件を満たす必要があります。また、受験申請の際には関連書類を提出する必要があります。そのうえで、書類の不備や会費滞納のないこと、症例提出が必要な場 合にはその内容が要件を満たしていることを確認した上で受験を許可します。

試験は、 50 問の択一式です。試験合格後は認定証が郵送され、資格更新のためには 5 年間に既定の単位を取得し、毎年会費を納入し、資格喪失項目に該当しないことが必要 です。 

>>第5回腎臓リハビリテーション指導士資格認定試験(2024年度)についてのお知らせ

 
今後の展望
腎臓リハビリテーション指導士は、包括的腎臓リハビリテーションを通じて腎疾患患者の治療ならびに再発予防と QOL 向上に貢献できます。 また、腎臓リハビリテーションの技術や考え方は、動脈硬化性疾患の発症予防(一時予防)から治療ならびに再発予防(二次予防)に至るまで幅広くカバーできます。

例えばメタボリック症候群に対する特定保険指導や、糖尿病・高血圧・脂質異常症と いった冠危険因子保有者に対しての生活指導や運動指導に役立ちます。さらに、腎臓病学や運動生理学を理解している腎臓リハビリテーション指導士の強みはなんといっても、患者に安全かつ効果的に継続性のある運動や食事療法、生活指導ができるという点 です。


腎臓リハビリテーション指導士制度規則


腎臓リハビリテーション指導士Q&A