Vol.1 No.1(2022) 創刊号 J-STAGEでもご覧いただけます

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特集1 創刊号に寄せて

特集2 コロナ禍の包括的腎臓リハビリテーション

特集3 腎臓リハビリテーションガイドラインの検証と今後

教育講座1
慢性腎臓病と腸内環境

教育講座2
慢性腎臓病と腸内環境

Young Investigator Award 受賞報告

  • 会長賞受賞報告
    安達 京華
  • 会長賞受賞報告
    仇 嘉禾
  • 副会長賞受賞報告
    山越 聖子

編集後記

  • 齊藤 正和、宮崎真理子

これまでの日本腎臓リハビリテーション学会:学会設立の背景を含めて

著者名
上月 正博
所属
1東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野教授
2東北大学病院リハビリテーション部長
キーワード
慢性腎臓病, 腎臓リハビリテーション, 運動療法, 透析
詳細

はじめに

 腎臓リハビリテーションは,腎疾患や透析医療に基づく身体的・精神的影響を軽減させ,症状を調整し,生命予後を改善し,心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として,運動療法,食事療法と水分管理,薬物療法,教育,精神・心理的サポートを行う,長期にわたる包括的なプログラムである1,2)
 腎臓リハビリテーションは,腎臓病患者の ADLや QOL の改善のみならず,腎機能改善・透析移行防止のための新たな治療としての役割も期待されている。また,超高齢・重複障害時代の最先端にあるわが国において,腎臓リハビリテーションはフレイ ル・サルコペニア・重複障害に対するリハビリテーションの見本になっている。さらに,運動療法のみならず,たんぱく質摂取をどうすべきかなど食事療法なども考慮した包括的リハビリテーションの見本にもなっている。
 特定の医療の普及・発展には,それを行う組織構築,ガイドライン作成,診療報酬収載が重要である。腎臓リハビリテーションに関しては,日本腎臓リハビリテーション学会(2011 年設立),腎臓リハビリテーション指導士(2018 年設立),「腎臓リハビリテーションガイドライン」(2018 年),「腎不全患者指導加算」(2016 年),「高度腎機能障害患者指導加算」(2018 年)が相当する。これらのすべてが世界初の出来事であり,本学会は世界の腎臓リハビリテーションをリードしているといっても過言ではない。
 2011 年に日本腎臓リハビリテーション学会が設立されて以来,私は 5 期 10 年間にわたって理事長を務めさせていただいた。日本腎臓リハビリテーション学会雑誌創刊に当たり,腎臓リハビリテーションの基礎から臨床までのすべてにかかわった「幸運な」一人の研究者として,学会設立の背景を含めたこれまでの学会の歩みについて総括する。

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これからの日本腎臓リハビリテーション学会

著者名
山縣 邦弘
所属
日本腎臓リハビリテーション学会理事長
筑波大学医学医療系腎臓内科学
キーワード
慢性腎臓病, 末期腎不全, 生活習慣病,重症化予防
詳細

はじめに

 日本腎臓リハビリテーション学会は,この 10年間の上月前理事長の強力なリーダーシップと会員,役員の総力のもと,大きな発展を遂げることができた。本稿では,近年の腎疾患の動向や知見をもとに腎臓リハビリテーションの腎疾患診療における位置 づけを改めてみつめ,あわせて今後の学会運営が継続的に活動できるための,新たな体制となった日本腎臓リハビリテーション学会の持続的発展を目指す活動の方向性を記す。

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「日本腎臓リハビリテーション学会誌」の編集方針

著者名
松永 篤彦
所属
日本腎臓リハビリテーション学会誌・編集委員長
詳細

はじめに

「日本腎臓リハビリテーション学会誌(the Japanese Journal of Renal Rehabilitation)」は,前理事長の上月正博先生によるご発案のもと,現理事長の山縣邦弘先生によって具現化された,日本腎臓リハビリテーション学会のオフィシャルジャーナルであ る。すでに,当学会には日本透析医学会,日本臨床腎移植学会,日本腹膜透析医学会,日本急性血液浄化学会との共同による公式の欧文誌「Renal Replacement Therapy」があるが,腎臓リハビリテーションが多職種による包括的なチーム医療を展開することを求められているだけに,この度の当学会公式の和文誌の誕生は腎臓リハビリテーションの実際やその科学的根拠などについて,関連する多くの職種による知的交流の場として大きな役割を担うものと思われる。そのためにも,本学会誌は当学会の会の皆様はもちろんのこと,腎臓リハビリテーションにかかわる多くの皆様にも関心を持っていただける雑誌,そしてアクセスしやすい電子媒体による情報共有(電子ジャーナル)を目指している。
 この度,本学会誌の創刊号(第 1 巻 1 号)は,記念号として紙媒体で全会員の皆様に配布させていただくことにした。この場をお借りして,本学会誌の編集方針を提示させていただく。なお,本創刊号の巻末に掲載した「投稿規定」を併せて一読いただければ幸いである。

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透析患者における新型コロナウイルス感染症の現況と疫学

著者名
菊地 勘
所属
医療法人社団豊済会下落合クリニック
キーワード
COVID-19, SARS-CoV-2, 新型コロナウイルス感染症, 新型コロナワクチン, リハビリテーション
詳細

はじめに

2019 年に中国湖北省武漢市から発生したと推定される新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)は急速に世界中に蔓延し,世界保健機関は 2020 年 3 月 11 日にパンデミックに該当すると宣言した。2021 年 11 月 30 日時点で,世界の COVID-19 患者は 260,867,011 人,死亡者数は5,200,267 人(致死率 2.0%)に達している1)。
 国内の一般人口では,2020 年 1 月 15 日に武漢市に渡航歴のある肺炎患者から新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus2;SARS-CoV-2)を検出,その後,第 1 波から第 5波までの急激な新規患者数の増加を経験し,2021 年 11 月 30 日時点での COVID-19 患者は 1,727,221 人,死亡者数は 18,359 人(致死率 1.1%)である2)
  一方,2020 年 3 月 1 日に国内で最初の COVID—19透析患者が発生した。日本透析医会,日本透析医学会および日本腎臓学会では,新型コロナウイルス感染対策合同委員会を立ち上げて,新規感染患者数の調査を開始,COVID-19 への感染対策のガイドを作成して啓発を行った3)(図 1)。2021 年 7 月より国内では第 5 波が始まり,透析患者においても同時期よ り急速な新規感染者の増加を認め,2021 年 11 月 25日時点の累積の感染透析患者数 2,669 人,死亡者数は 417 人(致死率 15.6%)となった4)(図 2)。
 筆者はリハビリテーションの専門家ではなく,主に透析患者における COVID-19 の現況と疫学について記載する。この現況と疫学を COVID-19 透析患者のリハビリテーションを行う場合の参考にしていただきたい

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血液透析患者におけるCOVID-19パンデミック宣言前後の身体活動量、身体機能、体組成および抑うつ症状の変化

著者名
松永 篤彦 ほか
所属
北里大学大学院医療系研究科
キーワード
COVID-19, 身体活動量, 心身機能, 体組織, 血液透析
詳細

はじめに

 新型コロナウイルス感染症(COVID—19)の感染拡大によって人々の生活は一変した。特に,世界保健機関が 2020 年 3 月 11 日に COVID—19 の感染拡大を世界的なパンデミックと宣言し,2020 年 4 月 7 日には日本政府も COVID—19 感染拡大を抑える政策の一つとして緊急事態宣言を発令した。これにより,人々の行動や社会活動は大きく制限され,スマートフォンを使った世界的な大規模調査からもパンデミック宣言後の身体活動量は大きく低下しており,わが国全体ならびに東京都に限定した調査によ る低下率は約 3 割に及んでいたことがわかっている1)。また,わが国の地域在住高齢者 1600 人を対象とした調査においても,パンデミック宣言前後の 1日平均の身体活動時間は中央値で 245 分から 180 分へと変化しており,低下率は 3 割弱であったことが報告されている2)。  この度,筆者らの研究室において,血液透析患者の身体活動量,身体機能,体組成および抑うつ症状について,COVID—19 パンデミック宣言前後(宣言前 vs. 宣言下)の変化を調査した。本調査の結果はCOVID—19 パンデミック下もしくはその後の腎臓リハビリテーションの介入に有用な情報となり得ると思われるが,改めて包括的腎臓リハビリテーションの重要性を認識した次第である。本稿では,これらの調査結果とその解釈ならびに今後の課題について,理学療法士の視点から触れてみたい。

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透析患者におけるCOVID-19パンデミック前後の握力と歩行速度の変化

著者名
中野 いずみ ほか
所属
福井総合クリニック
福井医療大学
キーワード
COVID-19, 握力, 歩行速度, フレイル, 血液透析
詳細

緒言

 2019 年 11 月に中国武漢市で始まった新型コロナウイルス感染症(COVID—19)のパンデミックにより生活や行動様式が大きく変化する中,医療現場でも多くの問題や混乱が生じている。特に透析医療では,透析患者は免疫能が低く,新型コロナウイルスに対する感染のリスクは高くなることが予想される。さらに,糖尿病などの基礎疾患を有する患者や高齢者では免疫能がより低下するため,新型コロナウイルスに罹患すると重症化することが懸念される。そのため,透析医療においては一般の医療現場 と比べてより厳重な感染予防対策を強いられ,これまでの生活環境がコロナ禍では大きく変容した。例えば,透析患者は定期的な透析治療の通院以外は不要不急の外出や人との接触を避けるよう注意喚起され,その方針に従って散歩などの運動する機会は減り通院サービス(デイサービスやショートステイなど)の利用も避けられた。その結果,感染の機会は減りクラスターの発症も抑えられたが,その反面,自宅に引きこもるようになり運動不足に陥るという弊害が生まれた。
 透析患者は,日常の食事制限や栄養素の透析液への喪失で栄養状態が悪化する危険性が高い1)。さらに,低栄養状態に加齢や疾病による身体機能の低下と運動不足が加わると,容易に筋肉量が減少し筋力が低下してサルコペニアとフレイルに至る2)。したがって,コロナ禍での運動不足はサルコペニアとフレイルの発症ならびに増悪の大きな要因となり得る。しかし,血液透析患者におけるコロナ禍でのサルコペニアとフレイルの詳細に関しては報告がなく不明である。
 今回,当院の血液透析患者でコロナ蔓延前の 2017年度からコロナ禍の 2020 年度にかけて認められた握力と歩行速度,ならびにフレイルの変化とその要因に関して,「第 11 回日本腎臓リハビリテーション学会」で発表した内容を紹介する。

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腎臓リハビリテーションガイドラインの検証と今後:保存期

著者名
星野 純一
所属
虎の門病院腎センター内科
キーワード
腎臓リハビリテーション, ガイドライン, 保存期CKD, 運動療法, 多職種連携
詳細

はじめに

 腎臓リハビリテーション診療ガイドラインは,2016 年 3 月の学会理事会において作成の方針が決定し,その後約 2 年間の過程を経て 2018 年 6 月に公開された世界初の腎臓リハビリテーションガイドラインである。腎臓リハビリテーションは,運動療法のみならず,栄養療法・看護・社会福祉・心理療法など多職種が連携した包括的なリハビリテーションプログラムであり,本来はすべての分野を網羅すべきであるが,今回の初版は Minds 方式に準拠した Q &A 方式が採用され,エビデンスが比較的多いと考えられる運動療法を中心とした内容で出版された。その結果,腎臓リハビリテーションの概念や運動療法の意義は広まり,実臨床の一環として取り組む施設が増加した。一方で,ガイドライン発刊後 3 年が経過し,現在の問題点を検証する時期,改善点を考えていく時期ともいえる。これらの作業は,本概念の適切な普及発展のために欠かすことができない。また,初版で取り上げることができなかった運動療法以外の分野に関する記述も必要である。
 このような考えのもと,2021 年 3 月に開催された第 11 回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(会長:伊藤修先生;東北医科薬科大学)では,腎臓リハビリテーションガイドラインの検証と課題に関するシンポジウムが開催された。今回は当時の発表資料を交えながら,保存期 CKD におけるガイドラインの検証および今後の課題について考えていきたい。

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腎臓リハビリテーションガイドラインの検証と今後:透析期

著者名
花房 規男
所属
東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード
運動療法, 運動耐容能, 高齢化, 患者報告アウトカム, 多職種
詳細

はじめに

 腎臓リハビリテーションは,すべての腎臓病患者において,円滑な社会復帰を支えるために,運動療法,患者教育,食事療法,薬物療法,心理的サポートなどのあらゆる手段でサポートを行うための内部障害リハビリテーションであり,長期にわたる包括的なプログラムを指すとされている。
 こうしたなか,わが国の透析患者の予後は,諸外国に比較して良好であること,また一般人口の高齢化,さらにはそれに伴う腎硬化症をはじめとした慢性腎臓病患者の高齢化による影響もあり,血液透析患者の高齢化は顕著である。図 1 に示されるよう に,30 年前は大半が 60 歳未満であったものが,現在は多くを高齢者が占めており,透析患者の増加は75 歳以上の患者の増加によっている1)。こうした高齢者では,サルコペニア,protein—energy wasting(PEW),フレイルといった,低栄養や消耗と関連するような病態が高頻度にみられる。特に,こうした病態の主体となるフレイルにおいては,適切な介入によって,再度健常な状態に近づくことができる可能性を秘めており,その対策に注目が集まってきている。
 透析患者の年齢構成の変化によって,従来のような仕事・学業などの社会生活への復帰の支援から,日常生活を円滑に送るための復帰の支援に,腎臓リハビリテーションの対象とする患者・病態が変化してきている。透析患者の多くを占める高齢者において,日常生活活動を障害し,さらには予後との関連も示唆される低栄養・消耗への対策がより求められるようになってきている。
 低栄養・消耗の原因はさまざまなものが知られており,その原因には大きな多面性がある。腎不全や治療自体によるもの,腎不全の合併症によるもの,食生活や身体活動度など生活習慣によるものなど幅広い原因を持っている2)。こうした原因の一つひとつを解消していくことが,対策においては重要である。低栄養・消耗関連病態への対策の方法論を考慮した際にも,長期的・包括的,かつ多面的にサポートを行っていく腎臓リハビリテーションの考え方は対策として合致しているといえる。
 ガイドラインという視点で,こうした対策を考慮した場合には,腎不全治療や,腎不全合併症への対策に関しては,日本透析医学会・日本腎臓学会が従来さまざまなガイドラインを公表してきている。一連の CKD 診療ガイドライン3, 4),透析処方5),心血管疾患6)やその原因として重要な貧血7),CKD-MBD8)のガイドラインである。生活習慣のなかで,食事療法については,日本透析医学会9)・日本腎臓学会10)がそれぞれ指針を公表している。しかし,腎臓リハビリテーションの主要な構成要素である運動療法については,従来ガイドラインは作成されていなかった。海外においても,position paper 11)や,エキスパートオピニオンレベルのガイドライン・教科書12)は存在したが,Grade システムに準拠したガイドラインは存在せず,腎臓リハビリテーション学会ガイドラインは,国際的にも,腎疾患患者における運動療法に関する初めてのガイドラインとして作成されることとなった

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腎臓リハビリテーションガイドラインの検証と今後:移植期

著者名
祖父江 理
所属
香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科
キーワード
運動療法, 腎移植, 腎移植患者, QOL
詳細

はじめに

 腎移植患者に対する腎臓リハビリテーションは,慢性腎臓病(CKD)患者同様まだ確立していない部分も多いが,2018 年に発刊された腎臓リハビリテーションガイドライン1, 2)では以下のようにまず規定された

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教育講座1慢性腎臓病と腸内環境

著者名
阿部 高明
所属
東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
東北大学大学院医工学研究科分子病態医工学分野/医学系研究科病態液性制御学分野
キーワード
慢性腎臓病, 腸内細菌叢, 腸腎連関, 尿毒素, 腸管免疫
詳細
 

はじめに

 慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)は慢性の経過で腎機能が低下していく腎臓病の総称で糖尿病,高血圧などの生活習慣病や慢性糸球体腎炎などが代表的原疾患としてあげられ,メタボリックシンドロームとの関連も深いことが明らかになっている。本邦の CKD 患者は約 1,330 万人で,これは 20歳以上の 8 人に 1 人に相当し今や誰もが罹患し得る国民病である1)。CKD が進行すると,最終的には永続的な腎代替療法が必要な末期腎不全(end stage renal disease;ESRD)に至る。CKD や ESRD では 食事制限や透析療法に多くの時間を拘束されるなどの QOL 上の問題だけでなく,脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患といった致命的になり得る合併症の発生率も増加する。CKD から ESRD へ進行し慢性維持透析に至る患者数は年々増加しており,毎年約4 万人が新規に透析導入となり透析患者の総数は 34万人を超えた。したがって,CKD の病態を解明し,その発症やESRDへの進展を予防することは重要な課題であり,減塩や蛋白質制限といった食事療法や降圧薬による血圧管理が CKD 治療の中心となって いるが,依然として ESRD に至る例は多く,既存の治療に加えて新たな治療法の開発が求められている。近年,さまざまな疾患と腸内環境の関連が報告されており,CKD においても免疫機能や尿毒症物質,食塩感受性高血圧などに腸内細菌叢がかかわっ ていることが明らかとなってきている。
 本稿では,腸内環境が CKD の病態に及ぼす影響や CKD の治療ターゲットとしての腸内環境の可能性について述べる

前半

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後半

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教育講座2 腎不全とサルコペニア

著者名
松沢 良太
所属
兵庫医療大学リハビリテーション学部理学療法学科
キーワード
サルコペニア, フレイル, 腎不全, 透析, 身体活動
詳細

はじめに

 1980 年代後半,Rosenberg は加齢に伴う筋肉量の減少および筋機能の低下をギリシャ語の sarx(筋肉・肉)と penia(喪失)からサルコペニアと称した1)。サルコペニアの誕生から約 30 年経過し,The European Working Group on arcopenia in Older People(EWGSOP)はサルコペニアを「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で,身体機能障害,QOL 低下,死のリスクを伴うもの」と定義し,体系化した2)。2016 年にはサルコペニアが国際疾病分類に登録され,新たに疾病として認識されるようになったことから,本格的な治療標的とみなされるようになった。腎不全患者における サルコペニアの発症には加齢以外にさまざまな要因がかかわっており,その罹患率は極めて高いことが報告されている。
 本稿では,腎不全とサルコペニアの関係から腎不全患者におけるサルコペニアの実践的な管理法について述べたい。

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Young Investigator Award 受賞報告

会長賞受賞報告
安達 京華
第 11 回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会にてYIA会長賞にご選出頂き,大変光栄に存じます。本研究においては直接のご指導を頂きました,慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科の内山清貴先生,伊藤裕教授,現在徳島大学腎臓内科の脇野修教授をはじめ,慶應義塾大学リハビリテーション医学教室の先生方,現在北里研究所病院の村岡香織先生に心より御礼申し上げます。この度の受賞を励みに微力ながらも腎臓リハビリテーション分野の発展・普及に貢献できるよう精進して参ります
会長賞受賞報告
仇 嘉禾
東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野の仇嘉禾と申します。第 11回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会YIA会長賞を賜り,誠に光栄に存じます。これまでにご指導いただいた東北大学 上月正博先生,東北医科薬科大学 伊藤修先生,そして研究にご協力頂きました東北大学医学系研究科の皆様に深く感謝申し上げます。今回の研究では,多発性囊胞腎に対する運動療法の効果をモデルラットを用いて初めて検証しました。この度の受賞を励みに腎臓リハビリテーション分野の発展に貢献できるよう今後一層精進して参りたい所存です。今後ともご指導の程,何卒よろしくお願い致します。
副会長賞受賞報告
山越 聖子
 この度は,第 11回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会 Young Investigator Award 副会長賞を頂きまして,大変光栄に存じます。研究のご指導を頂きました伊藤修先生をはじめ,多くのご支援を頂きました上月正博先生,森信芳先生,森建文先生,共同研究者の中村貴裕さんに心より感謝申し上げます。また,本研究を審査頂いた先生方におきましては,大変貴重なご意見を賜り,誠にありがとうございました。頂いた賞を励みに,今後も腎臓リハビリテーションの普及と発展に貢献できるよう,日々懸命に研究活動に励んでいく所存です。今後とも,ご指導のほど何卒よろしくお願い申し上げます

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編集後記

齊藤 正和、宮崎真理子

 日本腎臓リハビリテーション学会誌創刊号をお読みいただきましてありがとうございます。公式英文誌「Renal Replacement Therapy」に続き,公式和文誌「日本腎臓リハビリテーション学会誌」が誕生いたしました。
 コロナ禍が学会事業や会員の日常に様々な影響を及ぼしている中で,今回の和文誌発刊は大きな意義をもつものと思います。
 創刊号は,特集 1 として前理事長 上月正博先生よりこれまでの日本腎臓リハビリテーション,そして,現理事長の山縣邦弘先生よりこれからの日本腎臓リハビリテーション学会についての記事から始まっています。次に,特集 2 として,医師,理学療法士,看護師の視点からコロナ禍での包括的腎臓リハビリテーションについての記事,特集 3 として腎臓リハビリテーションガイドラインの検証と今後に関する記事が掲載されています。また,教育講座として「慢性腎臓病と腸内環境」,「腎不全とサルコペニア」の総説が掲載されています。ご執筆,ご投稿いただきました先生方には,メールで,かつ短期間でのお願いになりましたが,どれも読み応えのある論文で,素晴らしい創刊号になりました。厚く御礼申し上げます。
 さて,スタートしたばかりの日本腎臓リハビリテーション学会誌ですが,さらに学術的・教育的に優れた雑誌,会員のニーズに応え,会員に愛される雑誌に育てて行くには,すべての学会員の皆様のご協力なくしてはできません。
 次号以降,原著論文の掲載も予定しております。腎臓リハビリテーションに関する臨床・基礎研究について,皆様,ふるってご投稿をお願いいたします。
 我々はこれからも腎臓リハビリテーションに従事するものが必要とする最新の情報を共有,会員の皆様の素晴らしい研究成果の発表,日常臨床での疑問を解決できるような問題提起やディスカッションの場としての役割を担う学会誌を目指し,微力ながら編集企画や査読に関して全力を尽くす所存です。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 末筆ではございますが,東京医学社,学会事務局など学会誌編集に携わったすべての皆様に,この場を借りて厚くお礼申し上げ,編集後記といたします。 令和 4 年 1 月吉日 齊藤 正和,宮崎 真理子

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